みちのく旅行記

みちのくです!仕事の休暇はよく旅してます!

カシオンと北星の物語 九州編14


ではどうぞ!

転勤7日目(火曜日)

朝日が窓より入ってきてお目覚めの時間になる。
カシオンは目を覚まして、すぐ会社の支度をするのであったが、その時に電話が…。
カシオンは誰かと思いながら受話器を取る。
カシオン「はい、もしもし?」
⁇?「カシオンさん!ムーンです!」
カシオン「ムーンさん?朝早くからどうされたのですか?」
ムーン「大変です!先ほどミレア社長が倒れたとの情報がありました!」
カシオン「え⁈本当ですか⁈」
ムーン「地元の病院に搬送されたそうなので、カシオンさんもすぐに向かって下さい!」
カシオン「え、でも会社は…」
ムーン「上からの指示ですので、会社は問題ありません。なので急いで下さい!場所は伊賀市の○○○病院です!」
カシオン「分かりました!すぐに向かいます!」
カシオンは受話器を置き、すぐに着替えて準備を整える。
北星「あれ…カシオン?やけに起きるの早くない?」
カシオン「大変なんだ、ミレア社長が倒れたってムーンさんから連絡があったんだ!」
北星「え⁈」
カシオン「僕はこれから病院に行くから、戸締りだけお願い‼︎」ダッ‼︎
北星「え⁈ちょっ…カシオン‼︎」
カシオンは一刻も早く伊賀市に向かって飛びたした。
北星「…とりあえず、私も会社に行かないと…」

名古屋駅 ホーム

アナウンス「ただいま到着の電車は、区間快速、亀山行きです」
カシオン「この列車が伊賀市には早めに行ける。亀山からはタクシーで病院に向かえば問題ない!」
⁇?「あれ?カシオン君?」
カシオン「え?…あ!よつば⁈」
よつば「偶然ね、こんな時間に会うなんて」
カシオン「ちょっといろいろあって、よつばはこれから乗務なの?」
よつば「私は今日抜ける人の代理で亀山から勤務なのよ」
カシオン「そうだったんだ…」
よつば「カシオン君、ちょっと話したい事があるのだけど」
カシオン「え?」
よつば「実は北星さんの事で…」
カシオン「北星に何かあったの?」
よつば「実は…北星さんが無理矢理車掌の研修をさせられてる事は知ってるわよね?」
カシオン「確か…清掃員になるはずが、突然車掌の研修に変わってしまった事だよね?」
よつば「名古屋の工場に、私の知人がいるのだけど、北星さんのお父さんは元JRのお偉いさんらしいのよ」
カシオン「そうなの⁈」
よつば「それが関係してるとも言われて、一応カシオン君の耳に入れておこうと思って…」
カシオン「…分かった、ありがとう」
カシオン「あれ、よつば。今日は北星の研修に行かなくて大丈夫なの?」
よつば「今日は別の人が担当してるので大丈夫よ」


その後、カシオンは亀山に着き、そこからタクシーで病院に向かった。
そして…

○○○病院

カシオン「すいません、ミレア社長の部屋はどこですか?」
看護師「ミレアさんのお部屋なら、この先のお部屋です」
カシオン「ありがとうございます」

コンコン
ミレア「ん?誰?」
カシオン「ミレア社長、僕です」
ミレア「カシオン君?」
カシオン「はい、ミレア社長が倒れたと聞いたので…駆けつけたのです」
ミレア「私の心配をしなくても良かったのじゃ…」
カシオン「いいのですよ、会社からの指示で来たようなものですから」

カシオン「それで、お体の方は大丈夫ですか?」
ミレア「心配ないわ、軽いめまいで倒れたらしいから、二日か三日くらいで退院できるそう」
カシオン「そうですか(軽いめまい…?)」
ミレア「しかし大げさだよね…ただのめまいで救急車を呼ぶとは…」
カシオン「それだけ社員の皆さんが心配だったのですよ」
ミレア「だけど、ここでのんびりしている場合じゃないのよ。まだ会社に確認してない報告書に全部目を通しておかないと」
カシオン「全部?」
ミレア「深夜まで確認してたのだけど、まだ半分以上も残っていて、売り上げや来月分の予算を確認しなくてはならないのよ」
カシオン「まさか…それで朝方まで起きていて倒れたとかじゃないですよね…?」
ミレア「その通りよ」
カシオン「そこまで無理しなくても…」
ミレア「本来の社長なら、こんなに報告書を見ないのだけど、我が社は違うから…」
ミレア「少しでも余りの予算を修理費に向けたいのよ、君が見たあの工場を少しでも安らかにしてあげたいんだ」
カシオン「それでも…ミレア社長が倒れたら、何の意味もないじゃないですか」
ミレア「意味はあるわ、今年分の予算に余りがある事も昨日確認したから、成果はあったと言えるわ」
カシオン「でも…」
ミレア「心配ないわ、自分の体の事は自分がよく知ってる。今回はちょっと力が入りすぎただけ」
ミレア「次は倒れない程度にやるから大丈夫」
カシオン「…分かりました」
ミレア「それに、君は我が社の社員でもないでしょ、そこまで心配しなくても…」
カシオン「いえいえ、心配しますよ。ミレア社長は僕にとって大切な存在なのですから」
ミレア「…とりあえず、君はもう会社に戻りなさい。私はもう大丈夫だから」
カシオン「分かりました、ではお大事に…」

カシオン「ミレア社長にはああやって言ったけど、本当に大丈夫なのかな?」

そう思いながら、カシオンは会社に戻って、ミレア社長の状況を説明した。
会社に戻った時にはもう夕方だったので、 カシオンは報告だけをして会社を後にした。
その夜…

カシオン「ただいまー」
北星「あ、お帰り」
カシオン「今日の研修ってどうだった?」
北星「よつばさんが乗務に行ったから、代わりの人といつものような研修をしてたわ」
カシオン「そう…」
北星「ミレア社長はどうだった?」
カシオン「二日か三日で退院できるって」
北星「それならよかった…」
北星「とりあえず、夕食作るね!」
カシオン「うん」

カシオン「正直、不安だな…」
北星「ミレア社長が?」
カシオン「うん、また無理して倒れそうな予感がするんだ…」
北星「でも、カシオンの会社とは状況が違うし、仕方が無いよ…」
カシオン「…(ミレア社長が必死なのはわかる、でも…)」
カシオン「…(明日、ムーンさんと話して ミレア社長との取り引きを成功させる方法を見つけよう)」


このまま問題がなければ続けていきますので!
ではっ‼︎