みちのく旅行記

みちのくです!仕事の休暇はよく旅してます!

カシオンと北星の物語 九州編18

前回ではよつばと北星に何があったのか。
では、どうぞ!

カシオン達が佐藤重工に向かうその前、よつばはいつも通りに北星の研修を任されていた。

その日の朝  名古屋駅  待機室

よつば「ふぅ…さて、北星さんを迎えにいかなくちゃ…」
駅員「よつばさん、お電話です!」
よつば「え、私?」

よつば「はい、もしもし?」
コールセンター「よつばさんですね、お電話が入っておりますので繋げますね」
よつば「はい、お願いします」
⁇?「もしもし、北星の研修を担当されてる方ですか?」
よつば「え、はい。そうですが…」
⁇?「初めまして、私は北星の父親でごさいます」
よつば「あーはいはい…って、ええぇぇぇぇ⁈」
北星の父「突然お電話してすいません」
よつば「いえいえ‼︎あっ…申し遅れました!私は北星さんの研修を担当してます、よつばと申します!」
よつば「(北星さんの父親が、まさかこんな時に電話してくるなんて…)」
北星の父「実は、よつばさんに今日の研修の事でお話したい事がありまして」
よつば「はい、何でしょうか?」
北星の父「佐藤重工をご存知ですか?」
よつば「えぇ、米原の車両製造工場ですよね?」
北星の父「実は、今日その工場に北星を連れて行ってほしいのです」
よつば「え、どうしてですか?」
北星の父「来てみれば分かります、あなたにも少しお手伝いをしてほしいので」
よつば「私に?」
北星の父「とりあえず、詳しい事はそちらで話します。JR東海からは許可も得ていますので、もちろん私も佐藤重工に行きます」
よつば「わ…分かりました」

よつば「…とりあえず、北星さんに連絡しないと…」
プルルルルルルルル…
よつば「…あ、米原駅長ですか?」
駅長「はい、こちら米原駅長です」
よつば「そちらの寮にいる北星さんに電話を繋いで下さい」
駅長「少々お待ちください」
よつば「…」
北星「はい、もしもし」
よつば「北星さん」
北星「よつばさん?」
よつば「今日の研修は中止です」
北星「え、どうして…」
よつば「ちょっと佐藤重工に呼ばれたので、北星さんもそちらに行きますので」
北星「場所はどこですか?」
よつば「米原なので、北星さんは私が着くまで待機していて下さい」
北星「分かりました」

よつば「じゃあ…米原に向かいましょう」

それから数時間後…

米原駅  改札口

北星「あっ、よつばさん!」
よつば「突然ごめんなさいね…あなたのお父さんからお電話があってね」
北星「え⁉︎お父さんから⁈」

佐藤重工株式会社

よつば「ここよ」
北星「こんなに大きい工場だったなんて…」
よつば「あら?」
カシオン「え?」
北星「か…カシオン⁉︎」
森岡「え⁉︎何でみなさんがここに⁉︎」
カシオン「北星はどうしてここに⁉︎」
北星「私はよつばさんとここの工場の見学に…」
カシオン「あ…そうだったの…」
北星「カシオンと森岡さんは…仕事で?」
カシオン「うん、ちょっといろいろあってね」
よつば「北星さん、行くわよ?」
北星「あ、はい!じゃあねカシオン」

佐藤重工株式会社  ロビー

よつば「すいません、今日こちらに呼ばれたよつばですが…」
社員「あ、よつばさんですね!会議室で皆さんお待ちです。場所はこの先の突き当たりを左に行った場所にあります」
よつば「ありがとうございます」

北星「一体お父さんが何で私とよつばさんを呼んだのでしょうか…?」
よつば「正直分からないけど、この工場に来るからには何かあるわ」
北星「あ、あれじゃないですか?」
よつば「何か立て札があるわね…」

ウェディングトレイン号製作会議

北星「は…?ウェディングトレイン?」
よつば「結婚用の電車って事なのかしら…(汗)」

佐藤重工株式会社  会議室

ガチャ…
よつば「失礼します…」
北星の父「来てくれましたね」
北星「お父さん‼︎」
北星の父「おー北星、久しぶりだなw」
北星「それより、何でお父さんがここに⁉︎」
北星の父「いろいろあってな…」
⁇?「おやっさん、そろそろ始めましょう」
⁇?「そうですよ」
北星の父「おぉ、そうだな」
北星「ん?その人は?」
北星の父「紹介しよう、今回のプロジェクトに協力してもらう「トラル」と「ミカン」だ」
トラル「トラルだ、よろしく」
ミカン「ミカンよ、よろしくね」
 北星「よろしくお願いします」
よつば「よろしくお願いします」

よつば「それで、私達は何をすれば?」
北星の父「まあ、デザインをいろいろ考えてほしいのだ」
北星「デザイン?」
北星の父「北星、今回のプロジェクトは、お前の結婚式用の列車を作るんだ」
北星「えぇ⁉︎」
よつば「まさか、ウェディングトレインって…」
北星の父「結婚式専用列車だ」
トラル「今回の列車はJR九州の協力があったからこそ行なわれるイベントだ」
ミカン「私達はJR九州の職員だけど、今回のプロジェクトには上からも期待されてるの。この結婚式専用列車に、私達は全力で挑むつもりよ」
北星「まさか…結婚式を挙げる事を聞いて…こんなプロジェクトを?」
北星の父「あぁ、そうだ」
北星「…」
よつば「では、どんなデザインが必要なのですか?」
北星の父「それに困っていたから、君達を呼んだんだ。これがプロジェクト内容だ」

プロジェクト内容

編成*3両編成
車内工夫*食堂またはカフェエリアを設置、座席は少なめに設置、揺れは最小限に
内装*白、ピンク、黄を使用
以下略((オイ‼︎

よつば「なんて数…」
北星の父「揺れや台車などはこちらが引き受ける。よつばさんと北星は、内装やデザインを頼む」
北星「…」
よつば「北星さん?」
北星の父「まさか…嫌だったか…?」
北星「…ううん、違うの…」
北星「カシオンとの結婚式が…こんなに大きい式になるなんて思っていなかったから…」
よつば「…」
北星「…お父さん、任せて!」
北星「私が良いアイデアを必ず考えるわ‼︎」
北星の父「助かる、北星」
よつば「そうと決まれば、すぐに始めましょう!」
北星「はい!」

それから30分後…

よつば「あーは言ったものの…いざ考えると、中々無いわね…」
トラル「ミカン、この台車ならどうだ?」
ミカン「うーん…横揺れは良くても、縦揺れが…」
北星の父「もう少し変えてみよう」

よつば「基準を作らないと…内装とかも決める事が出来ないわね…」
北星「基準ですか?」
よつば「えぇ、例えば…一号車は会場とか、いろいろ…」
北星「それなら…これでどうですか?」
よつば「一号車を会場…二号車を食堂車…三号車を待合室とテラス…」
北星「食堂車は間に挟んだ方が都合が良いと思いますし、結婚式の後はテラスでゆっくり景色を楽しむみたいな感じで?」
よつば「これならいけそうね!」
北星「本当ですか⁈」
よつば「えぇ!後は一つ一つの設備を細かく決めて行けば、完成に近づいていくわ!」

こうして、時間はすぐに立ってしまい、気づけば夕方だった。
よつば「もう夕方ね…」
北星の父「今日はこの辺で終わりにしよう」
北星「うん」
北星の父「北星、カシオンには私と会った事を内緒にしてくれ」
北星「え、どうして?」
北星の父「カシオンにはサプライズとして、用意しようとしてるのだ。だから、頼む」
北星「分かったわ」

よつば「あの、北星さんのお父さん」
北星の父「ん?何かね?」
よつば「少しお話しを伺ってもよろしいでしょうか?」
北星の父「何だね?」
よつば「北星さんのお父さんは、何故北星さんを研修なんかに…」
北星の父「その事か…」
よつば「私の知り合いから聞きました。あなたは元はJRのお偉いさんだと…。それが北星さんを昇格試験に来た理由として関係していると…」
北星の父「まあ、その通りなんだ」
北星の父「実はな、本来なら北星は3年後にこの会社を受けるはずだったんだ」
よつば「え⁉︎」
北星の父「元々北星は電車が好きで、職業も鉄道関係を希望していた」

そんなある日の事だった。
北星はカシオンと北星は九州に旅立った後に、一本の電話が来てな。

半年前  北星の自宅

プルルルルルルル…
北星の父「はい、もしもし」
トラル「おやっさん、お久しぶりです」
北星の父「おぉ、トラルか。久しぶりだなぁ」
トラル「えぇ、もう何年ぶりでしょう…」
北星の父「それで、いきなりどうしたんだ?」
トラル「実はですね、九州の社長からの伝言をお伝えしようとお電話しました」
北星の父「社長から?」
トラル「北星さんを、JR九州の車掌に迎え入れたいと…」
北星の父「あ…それがだな…」

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トラル「北星さんが、九州に?」
北星の父「カシオンと一緒に九州で暮らす事になってな…」
トラル「もしかして、結婚式とか挙げられました?」
北星の父「いや、それはまだ聞いてない」
トラル「それなら好都合です」
北星の父「?」
トラル「実は今回、おやっさんに協力してほしいプロジェクトがあるのです」
北星の父「プロジェクト?」

よつば「それが、このウェディングトレイン…」
よつば「じゃあ、北星さんは?」
北星の父「特に大きな理由は無いが…北星がどこまで出来るかを試したかったんだ」
よつば「試すって…」
北星の父「あいつが仕事を投げ出す事なく、しっかり出来るかを確かめたいんだ。苦労はかけるが…北星のためでもあるんだ」
よつば「…」
北星の父「では、私は他の仕事があるから、これで失礼するぞ…」

北星「あ、よつばさん」
よつば「今日はこれで終わりなので、そろそろ帰りますよ。私はまだ夜に乗務があるので」
北星「はい」

そうして、前回の様にカシオン達と合流して、北星は家に帰った。
よつばも同じく、乗務が終わり…家に帰宅するのだが…。
よつば「…試すねぇ…」
よつば「北星さんはそれで納得するのかしら…」

今回はこれで終わりです。

続く…。