みちのく旅行記

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北海道新幹線の問題

いつものように自分の主観や想像でしかない話になりますが、是非皆さんにも考えてほしい。

 

新幹線...それはより遠くへより早く、目的地へ向かう為にあるべき存在。

経済的にも新幹線の駅が設置される場所はかなり発展してる場所も存在する。

それほどに新幹線とは乗り物としての存在や経済的な存在が大きいものなのである。実用的にも所要時間を大幅に短縮出来るという利点は利用者からの着眼点の1つとも言える。

 

さて、今回の話で取り上げていくのは北海道新幹線

やっとの思いで開業したものの、毎年赤字を出すほどに状況は圧迫している。他の人も北海道新幹線の建設は失敗だったと話してる人もいる。

ならそもそも、北海道新幹線が何故ここまで利用者が低迷してるのか、その中のある部分を追求していきたい。

 

その前に1つ、寝台特急について覚えておいてほしい。

今でこそ数少ない寝台特急だが、新幹線が登場する前は数多くの寝台特急が存在した。

元々寝台特急も用途としては新幹線と同じような役割を果たしていた。

時間という部分では新幹線には劣るが、遠くへの目的地に朝早い時間から到着するという、当時ではそれが1番最速で目的地へ向かう事が出来る方法だった。

しかし新幹線が建設されてくにつれて寝台特急は急速に姿を消していき、そして現在に至る。

もはや寝台特急とは過去の物となってしまったと思われがちだ。しかし日本には新幹線ではその用途を活かしきれなく、寝台特急でこそ速達性を発揮する部分がある。

それが本州から北海道へ向かう東北新幹線北海道新幹線区間の東京~札幌(現在は新函館北斗まで)である。

ではまず、現段階での北海道新幹線の問題となっている部分を考えよう。

 

現在の北海道新幹線が大きく抱えてる問題は主に3つあります。

1つは青函トンネル内の速度制限、もう1つはJR北海道の経営状況。

青函トンネル内は貨物列車も通る事から、もし高速走行ですれ違った場合に貨物のコンテナが吹き飛ばされる可能性が懸念されている。その為に青函トンネル内では160km/hまでしか新幹線は速度が出せない。この為、新函館北斗までは4時間弱かかってしまう。

せっかく建設されたのにこの所要時間では利用者も飛行機を選ぶ人も多いと思う。実際問題、北海道新幹線が開通して函館までのシェアは多少取る事が出来たが、新函館北斗から函館駅まで乗り換えが必要だったり、函館までの実際の所要時間を考えると飛行機が早いという事に変わりない。

なので北海道新幹線の需要は未だに低迷しており、新幹線では致命的な赤字路線となっている。

元々JR北海道の経営状況は厳しかった為に、おそらくこのまま行けば破綻も免れないという感じになってしまう。

しかも在来線に比べて設備費用が高い新幹線を所持してる事はかなりの痛手、僕から見れば...あのまま在来線でいた方が今ほど赤字を出す事は無かったとも言える。

そして3つ目ですが、これは将来的な事になると思いますが...新幹線にあったメリットが今後消える事で航空機との大差が無くなる事です。

航空機は遠くへ早く行ける代わりに、搭乗手続きやら荷物の検査や預けなど手間がかかる事があるので、鉄道に比べて手軽さがありません。

一方の新幹線は当日でも面倒な手続きをせずに切符さえ買えば目的地に行ける手軽さが売りです。

しかし将来、このうちの1つ...手軽さに少しメスが入る事になるでしょう。

それは荷物検査と荷物制限です。

先に荷物制限ですが、これは現在東海道新幹線が行っている事ですが、指定の大きさを超える荷物を車内に持ち込む事を禁じています。更に、指定の大きさを超える荷物は荷物スペースに置く事になっているからです。

これはいずれ、他の新幹線でも普及していくと思われます。

そして荷物検査ですが、これも東海道新幹線が先に投入していくと思われてますが、車内に危険物を持ち込ませない為に必要な検査場を作り、一人一人の荷物を検査していく事です。

何故これを行わなければならないと言われるようになったかと言うと、過去に新幹線車内で起きた事件がきっかけで、新幹線への危険物の持ち込みを防ぐ為にどのような対策を施すか試行錯誤されて来ました。

しかし鉄道利用の最大のメリットである手間がかからない事を犠牲にする事はあまり好まれず来ませんでした。

現在も新幹線車内に防犯カメラを設置したり警備員が巡回する対策が施されてますが、完全に防げてるとは言いきれない状況です。

ですが近年、新幹線の発展や進化により運行から人まで全てに対しての安全性が不可欠になりつつあります。

そして近年の発表では東海道新幹線に簡易的な荷物検査場を設ける事が決定したりしてます。

このように、今後は少しずつではありますが、北海道新幹線のメリットが徐々に薄れていく存在になっていく事になるでしょう。

 

以上が北海道新幹線が大きく抱えてる問題になります。

では逆に、北海道新幹線以外では解決策はあるのかどうか...。

ここから先は自分の主観や意見、空想的な事が混ざった内容になりますのでご注意を。

 

先程述べたように、新幹線の運営や維持費には莫大な費用がかかります。

特にJR北海道青函トンネルという日本のどの鉄道会社も持ち合わせていない規模の海底トンネルを保有してます。

元々この青函トンネルに新幹線が通る前から青函トンネルの維持費はかなり膨大でした。その理由として青函トンネルの壁から湧いて出てくる海水をトンネル外に排出する為の設備や非常事態に備えての設備や取り揃え、維持するのが通常より大変だからです。

自分は以前仮設電気工事の仕事をやってた関係で、トンネル内での作業を何度も経験してるのでその経験を元に説明しますと、トンネルは海底や山でも水が溢れ出して来る事が多々あります。

そして建設中のトンネルで例えると、掘って沸いて出た水は1度外に排出しなければいけません。

その為にポンプを使っていきますが、これは水の湧き出す量やトンネルの距離によって大きさや容量が変わっていきます。

そしてこれが青函トンネルの場合、ポンプ設備だけで大変な容量を有しています。

その理由は青函トンネル内で湧き出す水は毎分約20トン...そしてリットル計算に直せば、1分間に2万リットルの水が溢れ出してるんです。

もしポンプを動かさずに青函トンネルを放置すると、あっという間にトンネルが海水で埋まります。

更に青函トンネルは全長53.85kmもあって、中間地点が約27km地点と考えても、通常のトンネルではまずない長さを有してます。

この距離の長さで大量の水をトンネル外に排出するには通常では考えられない程の数や大容量のポンプが揃えられています。

そこに新幹線を通す事になった事で更に維持費が膨大になり経営を圧迫してる状況になっているのです。

かと言って青函トンネルを通る人が全くいないかと言うと、実はそうではありません。

元々新幹線が通る前だった青函トンネル...昔でいう津軽海峡線の利用者は年々多かった実績があります。

この区間を走る特急や急行は満員状態が続いており、当時は輸送不足とも言われて早期の新幹線開業を期待されていました。

しかし、在来線では輸送不足でも新幹線になった途端に過剰輸送に転落したのです。

当時スーパー白鳥として使用されていた789系基本番台は増結含めて約450人ほど乗車が可能でした。

一方の北海道新幹線は約720人ほどに増加しており、一見すると輸送不足を解消するには十分と思われます。

では何故、新幹線の開業が返って過剰不足になったのか...自分が考える背景には、在来線ならではの特有のサービスと、函館駅青森駅の存在が大きく関係してると思っております。

 

実は新幹線開業前の津軽海峡線では、海底駅見学という見学ツアーを行っていました。

これは龍飛海峡駅への見学ツアーで、海底駅を見学した後に再び出発地へ戻るというものです。この見学ツアーを行ってた事もあり、普段は通常のお客に加えて見学ツアー客も加わって特急が運行されてました。

そして青森駅函館駅の存在ですが...まず函館駅は以前青森方面から来る場合、新青森駅青森駅で特急に乗って来る方法でした。そして現在の場合、青森方面からは新幹線で新函館北斗駅で乗り換えて函館駅へ向かうという方法になってます。

青函トンネルに新幹線が開通する前は新青森駅で特急に乗り換えるという事を考えれば、どちらも乗り換えは1回で済んでますので同じのようにも思えます。

ですが細かな部分で利便性が低下したり実質運賃値上げになっています。

一方の青森駅はどの観点からも利便性が低下しました。

以前の場合は札幌駅から青森駅へ向かおうとする場合、函館駅で特急に乗り換える必要があったものの、乗り換え回数は1回でした。

しかし新幹線開業後は、札幌から新函館北斗駅で新幹線に乗り換え、新青森駅で更に乗り換えて青森駅へ向かう必要があり、乗り換え回数は2回に増えました。料金も函館駅の話と同様に実質値上げしており、青森駅の方が函館駅より悪い状況になっている。

そしてこの2つの駅は新幹線開業前は東京側や札幌側からも気軽に立ち寄れる利点があった。

それは...どちらの方向から来ても以前の津軽海峡線を使用する場合、乗車券の経由地が青森駅を必ず経由するからである。

例えば、新幹線開業前は東京から札幌まで行く場合...東京から新幹線で新青森へ行き、そこから青森駅を経由して函館駅へ向かい、札幌駅へ向かうという感じだった。

このルートで札幌まで行こうとすると、乗車券は青森、五稜郭(函館駅の隣の駅)経由で作られる。

そして乗車券は距離に応じて途中下車が可能な切符を作る事が出来る。

東京から札幌までの距離は普通に途中下車可能な乗車券となる為、札幌まで途中を通る駅に途中下車する事が出来る。

その為、札幌へ向かうついでに青森駅にも立ち寄る事も可能だった。ちなみに函館駅に立ち寄る場合は、改札で140円支払う事で途中下車する事が出来た。

これは、乗車券の経由地が函館駅の隣である五稜郭駅から函館本線を通って作られる為である。簡単に言うと、乗車券の経由では同じ駅を2回通る事は出来ないからです。

もし仮にこれが、函館駅経由だった場合...青森方面から来て函館駅で乗り換え、札幌まで向かう時に五稜郭駅を2回通る事になる。これでは乗車券は東京から函館、函館から札幌と2つの切符を作らないといけなくなってしまうのである。

なので函館駅で途中下車する場合は、改札で駅員に札幌までの乗車券を提示して、五稜郭駅から函館駅までの乗車券の料金(140円)を支払って改札口を出るスタイルでした。そして再び函館駅の改札を通る際は函館駅から五稜郭駅までの乗車券、又は札幌までの切符を提示して同様の区間の料金(140円)を支払って改札口を通るという方法でした。

一件するとこれも面倒かと思いますが、今の場合は新函館北斗駅から函館駅まで440円もかかってる事を考えると...津軽海峡線の頃より300円も値上げしてる事になります。しかしこれは片道分なので、往復だと600円分です。なんとジュースが4本も買えちゃいます。

もっと言いますと、青森駅も同様です。

今まで青森経由だった事で、青森駅には追加料金無しで途中下車が可能でしたが...現在は新青森から青森駅までの乗車料金が必要になったので、片道190円...往復ですと380円必要です。

さらに、青森方面から来て函館駅で途中下車しないで札幌方面の特急に乗り換える場合は、乗車券の経由地である五稜郭駅で降りずに函館駅で乗り換えが可能でした。しかも同じホームで対面して乗り換えが可能だったので、今のように新幹線ホームまでわざわざ移動せずに隣に止まってる列車に乗り換えるだけで済むという利便性にも優れた方法で乗り換えが可能だったのです。

そして新幹線になった事で、青函トンネルを通って青森や函館駅へ行く為の料金が実質的に値上げした事で、逆に飛行機へ転換する人も増えた事も理由の1つでしょう。

 

このように、青森駅函館駅へ気軽に立ち寄りやすいという利便性が突然消えた事で、お客さんが減って結果として過剰輸送に転落したと考えられます。

ならば、どのようにしていれば北海道新幹線を成功させる事が出来たのでしょうか?

ここからも自分の想像によるものですが、恐らくこうしていれば成功したかもしれません。

 

1.札幌駅~函館駅での新幹線開業

 

既に新函館北斗駅まで開業してしまってる新幹線ですが、本来の北海道新幹線の目的は札幌~函館間のスピードアップです。

なので、新青森駅まで新幹線を通さずに函館駅から札幌までの区間で新幹線にしてしまえば良かったかもしれません。

これには自分なりの理由があります。

元々青函トンネル内で貨物のすれ違いがある影響でスピードアップが出来ないのであれば、津軽海峡線は在来線のままで続投して、新幹線を本州と繋げずに函館駅から札幌駅までに留める事で今ほど維持費もかける事はないでしょう。

更に在来線のままなら、貨物列車の運行の兼ね合いもありますが...増発も新幹線とは違って行いやすい利点もあります。

そして上記でも説明した通り、青森や函館への立ち寄り易さはそのままなので乗客の減少も今ほどないでしょう。

そして欲を言うなら、函館駅から札幌駅までを新幹線として開通させる事で、乗車券の経由地が五稜郭でなく函館になるので函館駅への途中下車が無料になるので実質的に乗客増加に繋がる可能性もあります。

北海道新幹線も、本当なら本州からのお客さんを呼び込みたい所ですが...どう足掻いても本州、特に関東からは飛行機の方が時間や料金も圧倒的に有利です。ならば鉄道の利点を活かした方法、目的地前までの数箇所に立ち寄れる途中下車を活かす戦法を行った方が良かったかもしれません。

そして函館駅では在来線と新幹線を対面ホームで乗り換える方法を取れればもっと良いでしょう。(例として新潟駅の新幹線と特急の対面乗り換えがあります)

 

2.第2青函トンネルの建設

 

これは現在の状況での解決策ですが、貨物のすれ違いを無くす為にもう1つの青函トンネルを建設するというものです。

これによって、現在使用されてる青函トンネルを新幹線専用として走らせる事が出来るのでスピードアップが可能になります。

更に第2青函トンネルを貨物だけで使用するのは微妙なので、そこに臨時の客車列車や夜行列車を走らせたりする事で第2青函トンネルを十分に活用する事が出来ます。

しかし、もう1つの青函トンネルを作るには膨大な費用がかかるので、有力視されていても出来ないのが現状です。

 

以上が北海道新幹線が抱える問題と、その解決策です。

特に現在は新型コロナウイルスの影響もあり、鉄道各社は大きな赤字を計上している為、JR北海道はかなり窮地に立っています。

密閉空間となってしまう鉄道が今後どのように対策を施して経営をしていくべきか...。

ですが、今回の新型コロナウイルスによる影響で新たに気づいた事もあります。

その内容は今回の北海道新幹線の問題にも関わってくる内容にもなるので、次回はその内容について詳しく突き詰めていきましょう。

 

長々とお付き合いいただきありがとうございます。