みちのく旅行記

みちのくです!仕事の休暇はよく旅してます!

オリジナル物語「時空警備隊」 第1話

 

第1話 

 

時は2500年、人類は進化に進化を遂げて現代では考えられない程に技術が進歩したこの頃、この技術の中に画期的な技術を開発した技術者がいた。

名は磯部 聡(いそべ つとむ)、超難関大学を卒業し若くして海外の有名な学校を次々と卒業。そこで得た知識を活かし、「時空往来理論」という論文を作り上げた。簡単に言えば……時代を行き来する為の重要な公式や計算式をまとめたものだった。そしてこの時空往来理論を実現させる為に幾度となく難易度の高い実験を行った。タイムマシンなる物を作ってみては何度も空振り、失敗した事により負傷者を出したほどの危険な実験だった為、国から予算を絞られたりと磯部にとっては厳しい道であった。しかし技術の進歩によりついに実現させる事が出来たのである。

時空を初めて越えた磯部は、この時……世界平和を維持する為にこの技術を使おうと決心した。

しかし、彼の人生はここで潰えてしまう。実験の成功により国からの信頼を得て、栄誉を称えられた磯部は、海外の国、テロ組織、宗教など様々な人達から狙われるようになった。

磯部は実験成功により完成した「時空往来システム」を死守する為にある企業へ実験データを保存したメモリーカードや量産設計を施されたタイムマシンの設計図など、磯部が培ってきた全てを預けたのだった。

そして磯部は去り際に「この技術をいつか世界中に届けてほしい」と言い、その場を去って行った。

そして翌朝、ある海岸で磯部の死体が発見されてタイムマシンの実現の夢は1度潰えたのだった。

 

そして時は2600年、ある企業が大々的に発表した商品が世界中を震撼させた。

それはかつて磯部が開発した時空往来理論を取り入れたタイムマシンだった。

そしてその販売価格が一般の人々にも手に入れられる値段だった事から注文は殺到、そしてタイムマシンは世界中に売れていったのだった。

後に日本政府の圧力により、ある企業のタイムマシン販売は終了したが、この頃になると販売されたタイムマシンのデータを分析されて、時空往来理論自体が世間に公表される事になり、どの企業でもタイムマシンを製作する事が可能となったのだ。

 

時は流れて2700年、日本ではあちこちにビルが立ち並び、道を走る車は全て自動で操作され、比較的安定した国としてこの時代を生きている。

そんなビルに囲まれたある一角に、ドーム型のように建てられた4階建てのオフィスビルがある。

一見すると普通のオフィスビルだが、この深い地下に時空警備隊の基地は存在している。

 

時空警備隊の組織は総勢50人ほどで、その中でも6人がこの時空警備隊の中心となっている。

地下の基地は比較的そこまで広く作られておらず、ある部分を除けば会議室や司令室、そして各自の部屋があるくらいである。

そして今日も会議室で中心となる6人が集まって会議をしている。

 

「最近は任務が少ないな」

そう呟いたのは机に足を上げて椅子で仰け反ってる「星川スバル」、この時空警備隊のリーダーである。

余談だが、星川スバルの元となっているキャラはゲームで有名になったロックマンである。

「仕方ないよ兄ちゃん、だって俺達でほぼ悪党共をぶっ潰したんだからさ」

そう言い出したのは、机の上に大量のお菓子をばら撒いてボリボリと食べて話をしている「星川ダイキ」、星川スバルの弟でありこの時空警備隊の中で1番の怪力である。

星川ダイキの元となってるキャラはゲームでも有名なゲーム&ウォッチである。

「でも、一応細かな任務は国から要請されてるぞ。例えばパトロールとかパトロールとかな」

そう言い出したのは片手で小説を読みながら話す「カブトマン」、彼は時空警備隊の中での知識人でもあり、主に戦略を立てる役回りをしているが、炎を自在に操る事が出来る。

ちなみに元となってるキャラはいないが、いつも炎攻撃を食らうと「炎はいつも僕らのみかた♪」とか歌い出す。

「パトロールは金にならないからな、もっと別のはないか?」

カブトマンに返事した彼は「ココ」、椅子を2つ使って寝転がりながらダイキのばら撒いた菓子を食っている。

時空警備隊の中では偵察担当だったり、ダイキと協力して前線で戦ったりする。

元のキャラが棒人間という事もあってか、何故か影が薄いと言われ、影薄ランキング第1位に選ばれている。

「俺は後でゲームするからパスな」

そう言い出したのは携帯ゲームをしながら話す「田代マン」、ダイキと同じく時空警備隊の中では怪力担当だが頭が悪いせいか、味方に誤射する事もしばしば。

ちなみにカブトマンと同じく元となってるキャラがいないが、キャラを作った本人曰くシューティングのグロゲームを参考にしたとか?

…てかあれ?会議だよな、これ?

「いやちょっと待てお前ら…」

そう言い出してゆっくり椅子から立ち上がったのは、この時空警備隊の中ではバカだが唯一まともと言える「佐藤キウシ」だった。

時空警備隊の中では唯一のツッコミ役。

「メタいが色々とツッコミ所あり過ぎだろ!!」

キウシは本日もご機嫌斜めだった。

「スバル、お前が招集しといて机に足乗っけてんじゃねぇ!ダイキ、お前いい加減会議にお菓子持って来るんじゃねぇ!あと机も自分で片付けろよ!カブトマンも小説読んでるんじゃねえよ!ココ、お前も寝てんじゃねぇし、ダイキと共に菓子食ってる場合じゃねえだろ!田代、お前ゲームやるからとか言って既にやってんじゃねえよ!会議中にゲームやるバカがどこにいんだよ!」

一人一人に指を刺しながらツッコミを入れたキウシはぜぇぜぇと息を切らしながらゆっくり椅子に座る。

うん、こんな奴らが世界中を助けてるとは到底思えないよな。安心してくれ、作者もそう思うから。

しかしここにいる6人が居なければ超能力者だけでなく、タイムマシンを悪用した人達を鎮圧する事は出来なかったのだ。

 

ここで少し話を逸らします。

プロローグでも話たが、超能力者はその力が未知数な上、人によっては弱い能力や強い能力を持った人達もいるが、この6人は唯一ずば抜けた能力を持つ。

通常の超能力者では、弱くても人を寄せ付けないほどの力はあって、強いと軍の基地を1つは簡単に消せるほどの力を持つ。

しかし、そんな超能力者同士でも、この6人と戦うのは既に無理ゲーでもある。

星川家は両親が強い能力を持ってた事で、スバルとダイキは比較的6人の中では能力が高い。

ダイキは特にパワーにガン振りしたような強さを持ってるので、1人で山を持ち上げてしまうほどの強さを持つ。

一方のスバルは全てのステータスが均一に振られたような感じの強さを持つ。なので攻撃でも守備でも対応可能な為、時空警備隊の中核を担っている。しかし何故かダイキより考えがアホで、そこがほんとに勿体ない。

ココとカブトマン、田代マンに関しては片方の親が強力な超能力者という事で、それぞれの得意分野の能力が突出して高い。

特にココはスバルの能力に近い事から、一応副リーダーを担当している。

そして佐藤家の「佐藤キウシ」も星川家と同じ両親は超能力者だが、父は電気攻撃が苦手で、母親は遠距離攻撃が苦手だった事が原因なのか、キウシは両親の苦手だった事が逆に得意としている。

通常は電気の属性を持っているが、それとは別で母親が苦手としてた遠距離攻撃を得意とするモードを有してる。

本人はVYモードと呼んでいるが、意味は分からないらしい。VYモード時には単独で宙に浮く事が出来るので、遠距離攻撃だけでなく空中戦も得意としている。

ちなみに6人の中で空中戦が出来るのはスバルとキウシとカブトマンだけである。

ただし、VYモードの時は攻撃力が下がるので、あくまで飛ぶ為にしか使ってない事が多い。

ちなみにモードの切り替えは即座に出来るので、浮いてる状態で元の電気の属性に戻る事も出来る。

まあ、それやって何度も地面に激突して痛い目に遭ってるけど。

 

そしてこの世界線で超能力者の能力に唯一共通する力がある。

それが、「メガ」と「ギガ」である。

これは生まれつきの視力によって大きく変わる。

視力が良い場合は、ギガの力が宿る。

逆に視力が悪い場合は、メガの力が宿る。

6人の中だと、ギガの力はスバル、ダイキ、キウシ。メガの力はココ、カブトマン、田代マンになる。

どちらの力も大きな違いはないが、多少使える技の違いがある。しかしそこを話すと長いんで、また詳しい事は別で語る。

 

そして話は戻り、時空警備隊の6人の活躍のおかげで、世界中のタイムマシンにおける悪事や超能力による悪事などはほぼ無くなり、世界が平和になる兆しが見え始めていた。

しかし、スバルは会議中に意外な事を話し出す。

「戦力の増強を図りたい」

その言葉にスバル以外の5人はしばらく思考が止まった後に、ゆっくりとスバルの顔を見る。

スバルも机に乗せてた足を戻し、手を机に置いて話し続ける。

 

そしてここからは連続で話続ける関係で、セリフの頭に誰が話してるか入れます。

 

スバル「確かに俺達の活動で、今のところ大きな問題事は無くなってきてる。だが俺は、親父達が話してた最初の超能力者が未だに捕まってないのが気になっているんだ」(詳しくはプロローグで)

キウシ「確かに…。あれから多数の超能力者を確保してきたが、未だに最初の超能力者だけは見つけ出せていない」

最初の超能力者が誕生してから既に50年以上は経過しているので、一般的に考えれば寿命的に生きているかどうか怪しいと6人は疑っていた。

ましてや最初の超能力者がやった事に支援する者がいるかどうか。

ココ「だが、戦力の増強だなんて国からそう簡単に許可は得られないと思うが?」

カブトマン「そうだぞ、俺達が時空警備隊に入る前から母さん達が再三に渡って要求をしてきたが、結局子孫による組織への編入しか認めなかったんだからな」

時空警備隊となる前、6人の親達も事態を解決する為に確保した超能力者の中からも更生を促し、組織へ編入して戦力にしたいと考えていたが、国に何度も却下されたのだ。

国としても、超能力者を増やしすぎて組織の反乱を恐れてるだけでなく、悪事を行った超能力者は即座に処分する必要があると考えてたからだ。

現に確保した超能力者達は、能力を抑え込む鎖を厳重に縛り付け、手も足も動かないように固定している。

それほど超能力者に対して恐れを抱いているのだ。

田代マン「だったらよ、この前確保した奴らの中に、そこそこ性格も良さそうな奴がいたんだが、そいつ仲間にしちまうのはどうだ?」

ダイキ「あーあいつか、確かにあいつなら他に比べたらマシかもな」

キウシ「いやそれはダメだ、いくら温厚でも犯罪者を仲間にするのは国から拒否られる。それに、ただでさえ世界の情勢が落ち着いてるのに国が戦力の増強を認めるとは思えん」

6人が真剣に意見を出し合う中、スバルはこう告げた。

スバル「別の時代から引き込む」

5人「「「「「…は?」」」」」

スバル「あくまで国としては、今の時代から戦力を取り込む事を嫌っている。ならば、別の時代から戦力を取り込む」

5人は騒然してた。

ダイキ「いやいや兄ちゃん、それはマズイんじゃない?」

キウシ「スバル、仮にそれをやるとしても…その時代の流れを変えてしまう事になるかもしれないんだぞ?尚更国から許可なんて降りるはず…」

キウシとダイキが話してる間にスバルがいくつかの紙を机に広げ、それを全員が覗き込む。

そこには大きな文字で「歴史変化調査報告書」と書かれていた。

歴史変化調査報告書とは、タイムマシンを使って悪事を行った事により歴史の変化が生じた時に、その調査を行い、いつからその変化が起きたかを調べ、それが判明次第報告書としてスバルに提出される物である。

それを元にスバル達がその時代の変化が起きる前にタイムスリップし、変化を起こした者を確保するのである。こうする事で歴史の変化を正すのである。

ココ「何だ?歴史変化調査報告書」

カブトマン「これっていつもの悪党共を探し出す為にやってるやつやろ?」

スバル「そうだ。捜査班の隊員達にいつも依頼してるやつだが、今回は更に細部まで詰めてもらったんだ」

ダイキ「財布?」

キウシ「細部だダイキ、お前ほんまに金にしか目がないなぁ…」

スバル「一見するといつも通りの報告書だが、全てに1度目を通してほしい」

そう言われ、各自紙を手に取りよく読む。

調査内容には「歴史の大きな変化は無し」と書かれているが、その文字の下に別命によるものと書かれた欄を見ると、所々の時代に細かな痕跡ありと記載されている。

ココ「婚籍か…そんな物が所々の時代にあるとは」

キウシ「お前のそれ絶対違う意味だろ。それで、スバル…この別命の痕跡とはどういう事だ?」

スバル「ココの言うように、所々で嫁いで行方不明になった時代が様々あるんだ」

キウシ「いや待て、ココの方が正しかったのかよ…」

愕然とするキウシ、しかしダイキは至って冷静に今の発言を聞いてスバルに問う。

ダイキ「ちょっと待って兄ちゃん、嫁いでから行方不明になるって変じゃない?」

カブトマン「確かに、それって偶然ではないのか?」

スバルはしばらく沈黙した後…。

スバル「もちろん偶然だったら良かったんだけどな…偶然なら…」

 

つづく!